医師の転職時に気をつけたい14の注意点

「転職するときに注意したいこと」を知りたくないですか?

誰にとっても転職は人生の転機であり、キャリアアップのチャンスなので、必ず成功させたいですよね。

「勤務先に転職活動がバレて気まずくなった」
「いざ転職してみたら思っていた労働条件じゃなかった」

そんな事態にならないよう、このページでは、医師の転職時に気をつけたいことを紹介します。
転職活動中、内定後、転職後、それぞれの段階で気をつけたほうがいいことを知っておきましょう。

医師の転職時に気をつけたい14の注意点

転職時に気をつけたいことはたくさんあります。
それは会社員でも、医師でも同じこと。
転職を成功させるために、重要なポイントをおさえておきましょう。

それでは転職時の注意点を説明していきます。

1.転職活動は在職中に行うこと

転職活動は、必ず在職中に行ってください。

勢いで退職すると、その時点で収入が絶たれ、生活が苦しくなるからです。
また、仕事が有る状態で転職活動をするのと、無職の状態でするのとでは、心の余裕が違います。
そのため、自分に合った職場を見つけるより、「とりあえず仕事に就く」を優先してしまい、キャリアアップとは程遠い転職をする可能性が高くなります。

今の職場に不満があるかもしれません。
転職すると決めたら、早く退職したくなるかもしれません。
そのはやる気持ちをおさえて、じっくり転職先を探しましょう。

2.転職活動をしていることは同僚に内緒にすること

転職活動をしていることは、同僚に内緒にしましょう。

同僚の立場になって考えてください。
「職場を辞める」と宣言する人を信用できるでしょうか?
ちょっと休憩しているだけで手を抜いているように見えないでしょうか?

自分としては最終出社日まで全力で働くつもりでも、転職活動をしていると知った人たちからどう見られるかは未知数です。尾ひれのついた噂話がたち、予期せぬところで信用を落としかねないので、転職活動はできるだけ内密に進めてください。

3.転職の打ち合わせや面接には有給をとって行くこと

転職が具体的になってきたら、転職エージェントとの打ち合わせや、面接の予定が入ります。
その際は必ず有給休暇を取得して参加しましょう。

後で詳しく述べますが、退職するときこそ「立つ鳥跡を濁さず」です。
打ち合わせと言って転職先の人と会ったり、外出と称して面接に出かけたりするのは言語道斷。バレる、バレないの問題ではありません。

面接で「今日は有給休暇を取得されたのですか?」と聞かれても、「もちろんです」と堂々と答えることができ、その姿勢が「この人はきちんと手順を踏む、信用できる人だ」という印象につながります。

4.転職先はできるだけ幅広く設定し、情報収集すること

転職先は、できるだけ幅広く設定しましょう。

たとえば、大きく「公立」「民間」の2つにわかれる病院なら、どちらで働きたいでしょうか?
給料の安定している公立?それとも実績に応じて給料が支払われる民間?
希望は人それぞれですが、転職先をあまり限定しないでください。

たとえ給料は平均以下でも、やりがいのある仕事はありますし、雰囲気のいい職場もあります。
逆に給料は良くても、金額に見合わないほど激務だったり、人間関係のストレスが多い職場もあります。

とくに転職活動の初期は、できるだけ選択肢を広く持ち、情報収集してください。

5.人脈や伝手をフル活用して情報収集すること

転職活動には、自分自身の人脈や伝手をフル活用してください。

「知り合いに頼りたくない」「迷惑をかけたくない」「借りを作りたくない」と言う人もいますが、より良い職場を見つけるためにはネット情報ではなく、生の情報が必要です。

希望する転職先に精通する人がいたら内情を教えてもらってください。
転職先のキーマンと知り合いの人がいたら、どんな思想を持っているか聞いてみてください。
病院内部に知り合いがいれば、労働条件はどんな感じか聞いてみましょう。

6.イメージや憧れだけで転職先を選ばないこと

転職先をイメージや憧れだけで選ぶのはやめましょう。

たとえば公立病院は、民間病院に比べて給料や雇用は安定しているかもしれませんが、やりがいを見つけられるでしょうか?
逆に給料の良い民間病院で働く場合、ハードワークやストレスに耐えられるでしょうか?

自問自答が必要です。

2020年から世界中で流行した新型コロナウイルスの時のように、有事の際は公立・民間に関係なく、給料が減ることもありえます。
朝日新聞によると、コロナ禍において、1,475病院のうち、38.1%がボーナスを減額したそうです。

以下、引用***

日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が全国4410病院を対象に調査し、1475病院から回答を得た。

1475病院のうち、冬のボーナスを「減額した」のは38・1%。「支給なし」も0・3%あった。「満額」は60・7%だった。新型コロナの患者を受け入れる614病院に絞ると、減額は43・3%、支給なしが0・2%、満額は56・0%だった。

引用元:4割が冬の賞与カット コロナ受け入れ病院、待遇は悪化(朝日新聞)

***

仕事のやりがい、給料、得られるスキルなどを具体的にイメージして転職先を選びましょう。

7.転職のプロの手を借りること

転職活動をする際は、必ずプロの手を借りてください。

いわゆる転職エージェントたちは、業界の幅広い情報を持っていますし、大量の転職案件を扱っているため、見る目が肥えています。
転職のプロの手を無料で借りられるサービスを活用しない手はないでしょう。

また、自分ひとりで転職活動をするとどうしても主観的になりますが、転職エージェントは客観的でいてくれます。
自分自身の印象、医療業界における強み、面接に通るために身につけたいことなどをアドバイスしてもらえば、希望する仕事に就ける可能性は高まります。

余談ですが、筆者の知り合いに「え〜と」が口癖の男性がいました。
彼は医療機器の営業で、前職での営業実績は十分あるにも関わらず、転職先がなかなか見つかりませんでした。そこで転職エージェントに相談したところ、「“え~と”を言わないように気をつけましょう」とアドバイスを受け、その後面接を受けた企業から内定をゲット。
自分では気づかなかった「え〜と」の改善が転職成功の秘訣になったのです。

あとで転職エージェントに聞くと、「初対面の印象が“自信なさそう”で、その原因を分析したところ、“え〜と”に問題があるとわかりました」とのこと。
このような客観的視点を持つ人が味方になれば、転職成功の確率は高まります。

8.自分の市場価値を高く見積もりすぎないこと

転職活動をする際、最も注意したいのは自分の市場価値を高く見積もりすぎることです。

たとえば、「自分は年収1,000万円に値する人物だ」と思っていても、あなたを評価するのも、給料を決めるのも、これから面接を受ける病院です。
人脈がある、特殊スキルがある、経験があるなど、それらを評価するのも同様です。

内定はいくつも出ているのに転職先を決められなかったり、内定をなかなかもらえずにいるなら、自己評価が高すぎるのかもしれません。
自信を持つのはいいことですが、自信過剰はよくありません。
自分自身の客観的な市場価値を知るためにも、転職エージェントの力を借りましょう。

9.「面接は家を出た瞬間から始まっている」と自覚すること

希望する病院が見つかり、いよいよ面接の日。
あなたはどこからスイッチを入れますか?

病院の前? 受付を済ませた後? 面接会場に入った瞬間?

このどれかを選んだ方は注意してください。
面接は家を出た瞬間から始まっているからです。

家の近所に、転職先に勤務する人が住んでいる可能性は十分あります。
少なくとも、転職先の最寄り駅で、病院関係者と出会う可能性は十分あります。そこで悪い印象を与えてしまうと、面接に影響するかもしれません。

ここで筆者の知人の例を紹介します。

彼はある企業の幹部で、外出先から帰社するところでした。
最寄り駅から歩いていたとき、前にスーツ姿に歩きタバコの人がいて避けようとしたところ、こちらに向かってタバコをポイ捨てされたそうです。

気分を悪くしてオフィスに到着し、ひと仕事してから会議室に向かったところ、なんと先ほどの歩きタバコの男性が。今日の面接に来た人だと聞いた彼は、すぐ面接担当者に「あの人はやめたほうがいい」と伝え、内定は見送られました。

世の中、どこで誰が見ているかわかりません。
家を出た瞬間から気を引き締めて面接に向かいましょう。

10.内定後は、年収、仕事内容など、入社条件を確認すること

内定をもらったら、入社条件をもう一度確認しておきましょう。

面接当日は緊張もあり、内定をもらえるかどうかもわからない状況ですから、年収等を詳しく確認しづらいのは理解できます。ただ、実際にその職場で働くとなったら話は別。年収、仕事内容、労働時間、有給休暇の有無など、細かいところまで確認してください。

「入社したら聞いていた話と違った」というのは、たいてい面接時のサラッとした話を鵜呑みにしたのが原因です。日本人には「お金のことは聞きづらい」という価値観が根強いですが、労働条件を確認するのはあたりまえです。

できれば雇用契約書をだしてもらい、労働条件をクリアにしてから入社しましょう。

11.「今の病院を辞めない」もひとつの選択肢にすること

ここまでは転職する前提のお話でしたが、「今の病院を辞めない」も選択肢のひとつとして考えてください。

いい職場が見つからないのに、無理して手打ちする必要はありません。
自分の市場価値が思ったほど高くないと理解したのに、労働条件を下げてまで転職する必要もありません。

「サンクコスト」という言葉をご存知ですか?

サンクコストとは、それまでに費やしてきた時間やお金や労力で、もはや取り戻すことができないもののこと。人間は損失を抱えた場合、それを取り返すために時間や労力を投資し続けると言われています。

転職活動で言えば、市場のリサーチに時間をかけ、転職エージェントと何度も打ち合わせし、何社も面接を受けたのに、希望する職場は見つからなかった場合に、その後も無理やり転職活動を続けたり、希望を下回る職場に転職してしまうことです。

これまで転職活動をしてきたからといって、必ず転職しないといけないわけではありません。「今の病院を辞めない」というのも立派な決断です。

12.退職時は引き継ぎや挨拶を誠心誠意、行うこと

運良くいい転職先が見つかったら、次は退職に向けて、今の職場に誠心誠意尽くしましょう。仕事の引き継ぎや、お世話になった人への挨拶など、「立つ鳥跡を濁さず」を意識してください。

最もやってはいけないのは、「もう辞めるんだからどうでもいい」という態度で働いたり、雑に引き継いで辞めることです。
医療業界は広いようで狭いですから、悪い噂は一瞬で広まります。
その噂が次の仕事の足かせになる可能性もあるので、十分気をつけてください。

13.転職後は「評価が一旦ゼロになる」と自覚すること

意外と忘れがちですが、転職後は評価が一旦ゼロになります。

自分を信用してくれる人は知り合い以外にいませんし、患者さんもいません。前職と同じような態度では通用しないところが必ず出てきます。転職自体には成功したのに、その後失敗する人の原因はここにあります。

文字通り初心に帰って仕事に励みましょう。

14.前職のやり方や実績に固執しすぎないこと

最後に、前職のやり方や実績に固執しないように注意しましょう。

転職後に最も嫌がられるセリフは、「前職ではこうだった」です。
たしかに前職でのやり方は違ったかもしれませんが、それは現職には何の関係もないこと。新しい同僚からすれば「知らんがな」です。

また、「○○の手術を担当した」といった実績に関しても同様。
新しい職場では、またイチから実績を積まなければなりません。
転職後は意識的に謙虚に、新しいキャリアをスタートさせてください。

さいごに

このページでは、医師の転職時に気をつけたいことを説明してきました。

転職活動は慎重に、面接は堂々と、転職後は謙虚に。
この3つを意識すれば、自分らしく働ける可能性は高まります。
ぜひ理想の職場を見つけてください。

*このページでくり返し言いましたが、転職活動において、転職のプロの手を借りることは何よりも重要です。経験豊富な転職エージェントと手を組んで、二人三脚で転職を進めてください。

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