医師が転職を機に転科することは可能?成功のポイントも紹介

「転職を機に他の診療科に挑戦したい。でも今からじゃ遅いかな……」

「医師として不利にならないだろうか」

転科は医師にとって大きな決断です。興味のある分野に移りたいと思っても、不安や心配が先に立って、行動をためらう方は多いでしょう。

この記事では、医師が転科するメリットとデメリットについて解説します。併せて、転職を成功させるポイントも見ていきましょう。

転科のメリット

医師が転科によって得られる主なメリットを3つ紹介します。

将来の選択肢が増える

医師として複数の診療科で経験を積めば、将来の働き方の選択肢が増やせるでしょう。

特に、独立開業を目指す医師には有益といえます。ひとりでさまざまな症状の診療にあたらなくてはならなくなった時、必ず役に立つはずです。

今抱えている悩みを解決できる

医師の「忙しすぎる」悩みは、転職や転科によって解決できる場合があります。

例えば眼科や皮膚科なら、緊急性があまりありません。勤務医でも時間外労働や急な呼び出しが少なめです。

また、今いる診療科に違和感がある、人間関係がよくないといった問題の改善も期待できます。

年収アップの可能性もあり

自由診療の美容外科・美容皮膚科や、脳神経外科などの専門性の高い診療科への転職や転科は、年収アップの可能性もあります。

仮に年収があまり変わらなくても、勤務時間が短縮されたり、当直業務がなくなったりすれば、ワークライフバランスが取りやすくなるでしょう。メリットは大きいといえます。

転科のデメリット

医師の転科は良いことばかりではありません。デメリットも知った上で検討することが大切です。

これまでのキャリアがリセットされる

全く違う診療科に移ると、それまで積み重ねてきたキャリアは途絶します。

そのため、1から学び直すつもりで臨む覚悟が必要です。

診療科によっては年収が下がる覚悟もしておきましょう。

また、医療の世界は日進月歩です。数年後「やはり元の診療科に戻りたい」と思っても、自分の知識や技術が古くなっており、復帰が難しいことがあります。

指導医が年下になる場合がある

元の診療科と関連のある分野への転科なら、それまでの知識や技術を活かせる場合があります。

しかし、基本的には新人扱いされると考えた方がよいでしょう。

自分より年下の医師が指導医になることもあります。

医師としてのキャリアは自分の方が長くても、立場は下です。

年上・年下というこだわりは捨てて、素直に指導を受ける謙虚さが求められます。

転科先として人気の診療科

医師免許を持っていれば、診療科は自由に選べます。特に人気のある診療科を知っておきましょう。

美容外科・美容皮膚科

疾患やけがの診療をする診療科とは異なり、美容外科や美容皮膚科は健康な人に対して施術をします。

そのため、規定の診療時間内に診察を終えられることがほとんどです。時間外労働も少なく、急患で呼び出されることもありません。

ワークライフバランスが取りやすい上、年収アップも見込めるのがメリットです。

多くの美容クリニックが未経験可としている点でも、人気の高い診療科です。

眼科

眼科は子どもから高齢者まで、幅広い年代にニーズがある診療科です。視力矯正や白内障・緑内障の治療などは今後も増えると予想されるため、将来性も期待できます。

専門性が高い一方、緊急性はほとんどありません。

当直業務やオンコール勤務を免除される病院も多く、仕事とプライベートの両立がしやすい診療科です。

放射線科

放射線科では、レントゲンなどさまざまな画像検査の撮影や読影を行います。がん治療のための放射線照射も担当業務の一つです。

診療に欠かせない存在ですが、直接患者を担当したり、診断・治療をしたりすることはありません。

また、画像検査や放射線照射は予約制としている病院が多いので、決まった時間内で働きたい医師に適しています。

精神的・体力的な負担が少ないわりに、専門性を身につけられるのも魅力です。

転科を成功させるポイント

転科を伴う転職で後悔しないよう、知っておきたい二つのポイントを紹介します。これから行動しようという人の助けになれば幸いです。

転科先が自分の希望に合うか調べる

自分のやりたいことや学びたいことなど、希望を満たせるか確認しておきましょう。

特に長時間勤務や当直業務が辛くて転科したいという人は、勤務条件のチェックが必須です。

よく調べなかったために、かえって忙しくなったという人もいます。「思っていたのと違う」とならないよう、事前の調査が大切です。

転科を受け入れている転職先を探す

病院によっては、転科を伴う転職を受け入れていないことがあります。

その病院で求められるレベルに達していない、未経験者の研修体制が整っていないなど理由はさまざまです。

希望の転職先がある人は、転科が可能か調べておきましょう。

自分で転職先を探すだけでなく、医師専門の転職エージェントも利用すると効率的です。

まとめ

医師の転職や転科は珍しいことではありません。

医師として長く働くためには環境が大切です。今の職場や診療科に違和感がある、新しいステージに挑戦したいなど、理由は人それぞれ。より働きやすい環境を求めるのは当然といえるでしょう。

医師専門の転職エージェントを活用すれば、自分の希望する働き方が叶う転職先が見つけやすくなります。特に転科を検討しているなら、相談だけでもしてみましょう。


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