医師が転職の際に面接で問われること

医師が患者さんと話すときは、ほとんど緊張しませんよね。
でも、転職したいと思っている病院の院長や人事担当者との面接となると、かなり緊張しますよね。
緊張すると、本来の自分が発揮できない、という不安もありますしね。
でも、事前に十分な準備ができていると、気持ちにゆとりが生まれるのではないでしょうか。

今回は、医師の転職面接で聞かれやすい質問を、5つにまとめました。
また、その質問で何を判断しようとしているか、という点にもついても解説します。
質問の意図を理解して、的確な対策をしておけば、きっと面接を突破することができるでしょう。

医師の転職面接で聞かれる質問やその意図への対策

医師の転職面接で、最も重要視されるのは「人柄」です。
患者に寄り添った、親切な対応ができるか?
他のスタッフと円滑なコミュニケーションが取れるか?
これらが、面接選考のカギとなります。

ここでは、面接で聞かれやすい質問を5つピックアップし、その質問の意図と受け答えの対策を考えていきましょう。

よく聞かれる質問は、次の5つです。

  • 自己紹介+職歴や実績
  • 転職理由や志望動機
  • 自分の長所と短所
  • 周囲からの評価をどう受け止めているか 
  • 経歴や実績を今後どう活かしたいか

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

自己紹介+職歴や実績

Q1.経歴を交えて自己紹介をお願いします。

面接で最初の質問と言えば、自己紹介ですよね。
経歴や実績など交えて、自分をダイレクトにアピールします。
その病院で活躍できるかどうかの、大まかな判断が下されるので、ポイントを稼ぎたいところですね。
次からの質問を「採用するための質問」に変えていく、カギを握る質問と言えるでしょう。

▶質問の意図

応募する医師の職歴や実績、または失敗などから、どのように対処し改善に努めたか?
これで医者としての実力を見極める。

▶対策

相手は、あなたの経歴や実績について、既に履歴書で把握しています。
面接で、ただ書いていることを並べるのは避けましょう。
実績や評価に至ったエピソードなども、一緒に伝えるといいでしょう。

転職理由・志望動機

Q2 今回の転職理由についてお聞かせください。

転職面接では、前の職場を辞めた理由は、必ず聞かれると言っていい質問です。
また合否の判断基準となる質問でもあります。
答えにくい質問ですよね。でも正直に話して問題はない質問なので、嘘をつく必要はありません。
ただ同じ内容でも、答え方によって受け取り方も変わります。
しっかりコツを押さえておきましょう。

▶質問の意図

医師が、現状にどのような不満や不安を持っているかを把握する。
そして、それに対する目的意識を確かめる。

▶対策

たとえネガティブな理由で辞めたとしても、面接ではポジティブに伝えることがポイントです。
たとえば以下のように変換するといいですよ。

  • 正当な評価をしてもらえなかった➡「△△についてもっと学びたい/私のスキルを△△で活かしたい」
  • 人間関係が良くなかった➡「もっと他の医師の考え方に触れることのできる環境で働きたい」
  • 激務だったので辞めた➡「プライベートと仕事を両立させたい」「空いた時間に、より新しい知識を吸収したい/論文を書きたい」

Q3. 当院への志望動機についてお聞かせください。

これも面接でよく聞かれる質問ですよね。
大学の入試面接でも、聞かれた覚えがあるのではないでしょうか?
この質問も転職理由と同じで、前向きな印象を持たれるような答えを意識することがポイントです。

▶質問の意図

転職先の病院についてよく理解しているか、働く意欲や熱意また病院への好意などを知りたい。

▶対策

転職先の条件面ではなく、その病院での仕事や方針に惹かれた、という印象を与えられるのがベストです。
こちらの都合とも言えるような志望動機は、向上心が伝わるポジティブな言い方を選びましょう。
たとえば、次のような理由に置き換えます。

  • 待遇がいい ➡ 「貴院なら正当な評価をして頂ける」
  • 有名な病院だから ➡ 「ぜひ、貴院でスキルを磨きたい」
  • 通勤に便利 ➡ 「プライベートとの両立がしやすいため」

自分の長所と短所

Q3. あなたの長所、短所について教えてください。

自分の長所は、意外に自覚していない場合もあります。
短所はマイナスな印象を与えそうで、抵抗ありますよね。
でも完璧な人間なんていませんから、劣っていると自覚していることを素直に伝えましょう。

▶質問の意図

医師の個性を把握し、問題に対してポジティブに向き合えるかどうかを判断する。

▶対策

自分の短所を正直に話し、どのように対処できるかを説明しましょう。
医師は、トラブルや問題と隣り合わせの環境で働いていますよね。
どんな時も悲観的にならずに、物事を前向きに捉えて対策を講じられる医者、をアピールしましょう。

周囲からの評価をどう受け止めているか

Q4. 周りからの評価をどう感じていますか?

まず周りの評価で、言っていいことと良くないことの区別が難しいですよね。
長所や短所と似ているようですが、あえて聞かれるということは、何か意図があるはずです。

▶質問の意図

この質問の意図は、ズバリあなたの強みを判断するためです。
長所や短所は、自己分析ができているか、という点がポイントです。
この質問は、客観的な評価が引き出せるので、あなたの本質を知るための質問と位置づけましょう。

▶対策

評価を自分なりに分析していることが大切です。
強みをどのように発揮できているのか?または、改善してきたのか?
エピソードを添えて伝えましょう。実際に、周りの医者やスタッフに聞いてみるのが手っ取り早いかもしれませんね。
どんなシチュエーションだったかまで詳しく聞けると、そのまま面接で使えますからね。

経歴や実績を今後どう活かしたいか

Q5. 医師としてどのようなキャリアプランをお考えですか?

面接の最後に、これまでの経歴や実績をどのように活かしたいか、キャリアプランについての質問が予想されます。
この質問は他の質問と少し違って、ある程度本音を隠す方がいい場合もあります。

▶質問の意図

転職先で採用のミスマッチを避けることが、この質問の目的です。
将来性や長期勤務の可能性を探る質問で、この回答も、面接合否の判断材料と言えるでしょう。

▶対策

その病院に転職して何を成し遂げたいのか、という点を明確にしておく必要があります。
たとえば「貴院でどんな症例を経験することで、専門性を追求していきたい」など向上心を示しましょう。

また開業について聞かれたら、慎重に答えなければいけません。
医師にとって開業は、ごく自然なキャリアですから、病院側も理解しています。
すぐ辞めてしまうのではないか、という不安を与えない回答が適切です。
たとえば「開業してみたいという漠然とした気持ちはあるが、具体的には考えていない」なら問題ないでしょう。
もし具体的な計画があるならば、正直に伝えることが、後々のトラブル回避に繋がります。

まとめ

医師の転職面接で聞かれやすいのは、以下のような5つの質問でしたね。

  • 自己紹介+経歴や実績➡実績や評価に繋がったエピソードと共に、自分をアピール。
  • 転職理由・志望動機➡ネガティブな理由も、ポジティブな言い回しに変換。
  • 長所と短所➡自分の性格を自覚しており、物事に前向きに取組む姿勢をアピール。
  • 周囲の評価の受け止めかた➡客観的な評価を、自分なりに分析。
  • 転職後のキャリアプラン➡転職先で何を成し遂げたいのか、向上心をアピール。

転職の面接では、事前の準備が結果を左右します。
いかに前向きな姿勢をアピールできるかが、ポイントのようですね。

【JMC】日本メディカルコネクション


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